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イカせ屋稼業
第2章 そのに
『おつかれでーす』

ベッドメイキングをし直すスタッフの横から、
aikaがひょっこり顔を出した。

『おつかれさまー』
翔汰も応える。
『ハウツーDVDって細かいね(苦笑)』

『だねぇ。面白いっちゃー面白いけどね。
あ、次の〔体位〕撮影もし嫌な時は言ってね?』

翔汰は配慮した。


『はい♪
こちらこそ何かあれば言ってくださいね!
………フフ、蒼井さんホントにそういう気遣いするんだぁ(笑)』

含み笑いのように笑うaika。

『ホントって?』

『あたしね、ゆりなと友達なんだー。
咲々ゆりな……前にお仕事したよね?』

『咲々…うん。したよ。そういえば…』
TEL番号とline交換をしたけれど、
連絡は来ていなかった。


『ゆりなが「すごく良い人だよ、珍しいくらい」
って言ってたの。
疑ってたけどホントだった』


『そうかな?』翔汰は腕を組み首を傾げた。
『良い人じゃないと思う』


『?良い人だよー。』
aikaはヒソヒソ声になり、『乱暴に扱う男優多いんだよ』と囁く。
『蒼井さん丁寧というか…あんま力入れないもの。
すごくありがたいよ』

満面の笑みで言うaika。


照れくさくなった翔汰は、『そうかな?
それはありがとう…』と呟いた。


(咲々ゆりなかぁ。
あの子もaikaみたいにフレンドリーだったなぁ)

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