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イカせ屋稼業
第5章 そのご
『へぇ……
洗濯機ってナカ見えるんだね』

『これはこういうタイプなだけ。
見えないタイプもあるから』


翔汰はドラム式洗濯機の蓋を開け、
器用に洋服の袖口を左腕に通していく。


拓矢がキョトンとした。
『何してんの?』



『カゴに入れてベランダに持ってくと一枚ずつ干すことになるだろ?

こうやって腕に通しておくと、
そのまま干し竿に通すだけで時短テクになんの』




翔汰はベランダの干し竿にスルスルと洗濯物を通していく。

拓矢はそれを見て「すげぇ、
曲芸みたい」
と感嘆していた。


『微妙にムカツクなぁ(笑)』

『褒めてるのに…
翔汰何でそんなに家事できんの?』


『ん?
ああ、小さい時に両親が離婚したしミサコが家事下手だったから俺がしてたの。
小学校くらいの時からかなぁ…
祖母さんと一緒に。

そんなに出来てないぞ。
雑だしな。普通じゃないの?』


『………翔汰と結婚する女ラッキーだね』
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