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イカせ屋稼業
第5章 そのご
『ふーん……
やっぱりお前坊っちゃんだね』



『…そうかな。
俺はこういうのがいい』


言いながら、
拓矢は繋がったネギを箸でつまみ上げで眺めている。

『シロートが切るとそうなんの!』

『竹輪(ちくわ)も繋がってるし…』

『良いじゃん、
食べれたら何でもさぁ』

『あとココに彩夏ちゃんが居たらカンペキ』


『あっ、
お前また変なline送っただろ?
彩夏が〔口説かれてるんだ〜♪あたしがカワイイからだよね〕(←おバカ)って俺にメッセしてきたぞ?
あいつああ見えて根は真面目なんだからな?
引っかけたりすんなよっ』

ぎゃあぎゃあと言いながら食べ、
2回目の洗濯物も干し終わると拓矢は「そろそろ帰る」
と言う。


『一通り家事は見たしね。夜は坂城すずと会うんだろ?
邪魔者は退散する』


拓矢は革靴を履き、
『じゃーな』と玄関ドアを開いた。
ピタッと一瞬止まる。
クルリと部屋に振り返り、『これ、やるよ』
と翔汰に何かをポイッと投げた。


翔汰がキャッチすると、
玄関ドアがパタンと仕舞って遠ざかっていく拓矢の靴音がした………………………………

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