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第5章 そのご

このホテルも数ヶ所の製作会社が共通して借りている。。


翔汰は、
仕事用バッグを抱えて『おはようございまーす』
と一室に入室した。


スタッフたちが『おはよう〜』
『宜しく』と挨拶する。




甲斐の携帯が鳴り、
応答しながら部屋から出て行った。

翔汰は監督から、〔打ち合わせ・ざっくり設定〕を聞いて着替える。

今回は、
〔美人妻・個人マッサージ店〕という企画モノ。

つまり翔汰は客である。
エロ慣れしていない若い男が、マッサージ店主の人妻に翻弄されるという筋書き。

スタッフが部屋に病院にあるような簡易ベッドを設置している。

茶色いタオルに、
いかにもマッサージ店らしく多数の種類のオイルが詰まった棚カゴ。


『岬あいね【ﾐｻｷｱｲﾈ】です。
よろしくお願いしまーす』

奥から人が出てきた。首元が大きく開いたニット・ミニスカートを着てエプロンを着けた茶髪ボブの可愛い系女優・

岬あいねが翔汰に頭を下げる。

『蒼井翔汰です。
本日はよろしくお願いします』


翔汰も挨拶し、
ボクサーパンツ一枚にバスローブのみ羽織った格好になる。