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第6章 そのろく

『………起こし方が暴力…………』

パンをかじりながら、
拓矢は目を擦っている。


『お前が同居なんて提案するからだ』
立腹中の翔汰も隣でパンを噛んだ。


『…………朝から元気だよね…………
俺血圧低いのに…………』


『んじゃサラダもちゃんと食べろ。
スープも飲むっ』



『どっかの母親みたいだな……………………………………あ〜眠ぃ……』
拓矢はソファーに座って、右手にパンを持ったまま再び眠ろうとした。



翔汰は拓矢の頬をつねった。。

『いだっ…』


『目ぇ覚めただろ？(笑)
同居提案の仕返しだ』


翔汰はサッサと食べ、
『ご馳走さまでした』と手を合わせる。
立ち上がり洗面所にて歯を磨く。


（………ったく……
何で追い焚きボタンも分からないんだよ………）


翔汰はすずとの交際が事実上保留になったことに落胆した。


メッセージですずは〔しばらくは大人しくしとく…〕
と言う。


―――ソファーに座った金髪男。

髪は寝癖でボサボサになっている。
拓矢はお坊ちゃんなだけあって、手がかかる。

翔汰は歯を磨き終えると着替え始めた。


拓矢より先に準備しておかないと、間に合わない。

しかも……
キングサイズのベッドで一緒に寝るという始末……………


ジャージを着て、
拓矢の髪にブラシを入れた。
寝癖直しスプレーをしながら。
『ほら、
歯ー磨いて。
9時には甲斐さんが来るんだから』


拓矢はふらふらと洗面所に向かい、
歯を磨く。