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イカせ屋稼業
第8章 そのはち
『おつかれさーん。

直ぐAV撮影向かうよ』

甲斐がバンワゴンを運転しながら後部のふたりに告げる。


「『了解でーす』」





『………しかしお前んち、池まであるのかよ………
錦鯉いたりとか?』


『ん?
ああ、鯉は色んなのが居るから錦鯉も居るだろうね』

『マジすか………。
あのコ、インタビューそっちのけだったなぁ(苦笑)』


『そうだね。
仕事はキッチリ分別しないとね』



『何かあった?』
甲斐がタバコを咥える。


『さっきの〔C-Girls〕の編集者、
拓矢の同級生だったんですよ。その流れで拓矢の実家のセレブっぷりが露(あらわ)に』



『鯉は何処にでもいるだろう』
拓矢が水を飲みつつ呆れたような声で言う。


『居ないよ…
そして自宅の敷地内に池もあんま無いよ』




『まーそういう出会いもあるよなぁ。
広いようで世間は狭い。
拓矢んち、池まであるのか……』
甲斐も驚いていた。
『家のマンション、ローン30年……一部分けてほしいくらいだよ』と私情を愚痴りつつ。

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