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イカせ屋稼業
第8章 そのはち
『仁菜ちゃん……
だっけ。
あれは相当拓矢のこと好きだったんだろうな』


『俺は知らない』


ブルル…

『噂をすれば…
line来てるよ、早速』



『本当だ。
〔今日は久しぶりの再会で感激してしまいました。
良かったら近いうちに飲みに行きませんか?〕』



『あ?
俺には〔お世話になりましたー〕だけなのに!
露骨過ぎ(苦笑)』



『〔奢ってくれるなら翔汰を連れて参加しますけど?〕
……と』



『お前、皮肉混ぜるの上手いよね……』


今頃仁菜ちゃんは撃沈しているだろう………………………


『個人的に付き合いなんて嫌だ、
面倒くさい』
拓矢はその辺りははっきりしている。




『まぁ切り替えろよー?
今からふたりで撮影だから喧嘩はすんなよ』


甲斐が言い、
車は配信サービス会社契約のホテルへと入っていく。


(撮影といえどドキドキすんなぁ………
俺キモい………)



翔汰は胸に手を充てる。



駐車場でふたりは車から降りた。
甲斐は車内でPC作業をするという。


指定された307号室へ向かう。



室内では監督・カメラスタッフが既に待機していた。
洋室のごくごく通常のホテル。

ダブルベッドにソファー、テーブル。


『あれ?』

見ると、女優さんが居る。『スタッフさん…じゃないよね?』拓矢に訊くと『スタッフにしては綺麗過ぎるしなぁ』と手厳しい。。


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