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イカせ屋稼業
第10章 〜番外編〜

屋上では生徒たちが何人か昼休みを過ごしていた。



隅の柵の間際に向かう。

「あたし、
1年の佐々木って言います。
―――優衣のこと、遊びなんですか?」
派手な子は腕組をしたまま威圧的に俺を睨む。




俺は派手な子の茶色い髪を眺めていた。
「遊びだったら君に何か害があんの?」



俺は適当に返す。

すると巻き髪の子は一歩俺に近寄り、
「優衣、泣いてんだよ?
あんた女子食っては捨て食っては捨ててんでしょお?アミだとかユキだとかって2年に絡まれたんすよ、
優衣は」
と凄む。



「――――それはアミだとかユキだとかに言ってくれないかな。
優衣ちゃん……だっけ。
ボブの大人しい子。
あの子に伝えといて?

〔『体だけでも愛してください』って言ったよね?〕ってさ」

俺は佐々木とやらを真っ直ぐ見据えて話す。


唇にぐっとチカラが入るのが見て取れた。


「付き合いは断ったってことだよ?
はっきりとね。
〔遊び〕を望んだのは彼女のほうだから。
じゃ、メロンパン残したままだから」
俺は手を挙げて佐々木に背を向けた。


歩き始めると、
背中にドカッと脚が入った。
「いて……」



「ふざけんなよ!!
優衣は入学した時から毎日あんたのこと見てたんだよ!
人の気持ちバカにすんな」佐々木はそう叫ぶ。



他の生徒たちがこっちを見ている。


俺は振り返らずに屋上を後にした。



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