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イカせ屋稼業
第10章 〜番外編〜
凪・裕希・俺の3人は応援団体から抜け出して、
緋路が運ばれた近くの区立病院に向かった。
日曜日とあり救急外来から入る。
「―――おお、
間宮の友達たちか」
受診室から出てきた監督が待合室に座る俺たちを見て言う。
凪が立ち上がり、
「緋路は?!
脚、どうなんですか」
と監督に詰め寄るように迫る。
「………まだはっきりとは分からないけどな。
痼(しこり)が脹ら脛にあるんだ」
「――――え」
凪が青ざめた。
「痼って………」
シーンと静まり返った待合室が氷りついたように固まる。
すると…
受診室のドアが開いた。
初老の医者が出てくる。
「え〜と、
間宮緋路さんの付き添いの方?」
監督が「はい、学校関係者ですが」と医者に寄る。
「ええとね、
脹ら脛の血液の中に異物が入ってるんですよ。
ご家族を呼んでください。おそらく幼少期に誤って飲み込んだ異物があると思います」
「ええ?!
………はい、直ぐ親御さんに連絡をします」
監督はその場を離れて携帯を持ちながら歩いて行った。
思わぬ事態に、
俺たちは気まずく固まったままだ。
「異物って………
じゃあ取り除くの?」
裕希が首を捻る。
「………総体があるのに…………」
凪が力なく呟いた。