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イカせ屋稼業
第10章 〜番外編〜
―――その日は結局解散し、
俺と裕希は『とにかく明日まで待ってみよう。
緋路が一番ショックなんだから…』
と各自帰路についた。
緋路の母親が病院に来てから、
バタバタ慌ただしくなって俺と裕希はそっと抜けた。
凪はそのまま付いて残った。
ひとり、自宅に向かう。
「―――あ。
持って来ちゃった………」手には裕希お手製の団扇とマラカス。
団扇には〔HERO〕と書いてある。
メッセージをしようかと思ったけれど、
緋路の気持ちに寄り添うような気の利いた言葉が浮かばない。
取りだした携帯をまたポケットに仕舞った。
帰宅してから部屋でぼんやり音楽を聴いた。
裕希がバンドで作った音楽。
ガチャガチャと速いテンポで、
ボーカルはラップ調に唄い何を言っているのか分からない。
たぶん、
日曜日の夕方に1人部屋で音楽を聴いている高校生なんてセカイで俺くらいなんだろうな……
―――その日緋路から連絡はなかった。
俺と裕希は『とにかく明日まで待ってみよう。
緋路が一番ショックなんだから…』
と各自帰路についた。
緋路の母親が病院に来てから、
バタバタ慌ただしくなって俺と裕希はそっと抜けた。
凪はそのまま付いて残った。
ひとり、自宅に向かう。
「―――あ。
持って来ちゃった………」手には裕希お手製の団扇とマラカス。
団扇には〔HERO〕と書いてある。
メッセージをしようかと思ったけれど、
緋路の気持ちに寄り添うような気の利いた言葉が浮かばない。
取りだした携帯をまたポケットに仕舞った。
帰宅してから部屋でぼんやり音楽を聴いた。
裕希がバンドで作った音楽。
ガチャガチャと速いテンポで、
ボーカルはラップ調に唄い何を言っているのか分からない。
たぶん、
日曜日の夕方に1人部屋で音楽を聴いている高校生なんてセカイで俺くらいなんだろうな……
―――その日緋路から連絡はなかった。