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イカせ屋稼業
第11章 そのじゅう
翔汰と拓矢、
それに甲斐は泣きじゃくるアヤメを介抱した。

イージーが『nine、
えらく感じが悪いわね…………』と腕を組み憮然とする。




近くのファミリーレストランへ入る。客は少ない。

朝の爽やかな空気の中での一悶着。
アヤメは席につくと『取り乱してスミマセンでした…………』
と泣き止んだ。

イージーは「次の仕事がある」と帰って行った。

『大丈夫?

あ、俺たち怪しいモンじゃないから!』
拓矢と並んでアヤメと向かい合って座った翔汰。


今更ながらアヤメに弁解するように話す。


アヤメは目をパチクリさせ、
『ふふっ……………わかりますよぉ、
それくらい』と微笑した。

あどけなくて可愛い笑顔だ。



『………………助けて下さりありがとうございます。
私、2週間くらい前にナンパされたんです。
フレンドリーだったし、
胡散臭さがなかったから………
好みでしたし。
連絡先を交換して後日飲みに行ったの』




『……………それはあのガテン系男だよね?
ナンパは1人でしてたの?』
拓矢が訊ねる。

『はい、髪の長い厳つい人ひとりでした。
飲みに行った時にも1人だったし、
つい「部屋に来ない?」って誘われて。
寂しかったし、
少しならいっかと思って。
_____そしたら……………』
アヤメは俯き加減になる。



『流れでそーゆー雰囲気になって。
まさか、
カメラで撮影されてるなんて思ってなくって。
その日はフツーに帰宅したんです。
楽しい気分のまま。
3日後、
携帯に「ネットに拡散されたくなかったらウチ(nine)に所属すること」って映像が添付されたメッセージご来たの………………』



アヤメは涙を溜めた。

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