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イカせ屋稼業
第12章 そのじゅーいち
『悪かったってば………………』
湯船から拓矢を見上げた。

休憩時間。


「喉渇いちゃったわん♪」と部屋を出て行ったイージー。
気を遣って貰って悪いなと思う。


ふたりは一旦ローションを流すため、
いっしょにバスルームに居た。



次のシーンは〔互いに愛情確認〕てとこだ。



ぶっす~っとむくれたまま、
シャワーを頭から浴びる拓矢。


『そりゃ彩夏姫だったけどさ…………
俺の嫉妬を煽るなんて………………ヒドイ』



怒っているというか、
落ち込んでいる。



背中を湯船に向けていた。



『…………………ぷっ………あははは!』
翔汰はそんな拓矢を見て吹き出した。


『何だよっ』
拓矢がシャワーノズルを翔汰の顔面に向ける。



『ぶわ!!
ふわっ、……………』
顔面にシャワーの湯がかかる。


『………罰だ!』
拓矢が笑う。


シャワーを止める拓矢。
『横入っていい?』



狭い湯船に並んで浸かる。


『濡れた犬みたいだったからさ(笑)』

『ひでぇ。
本っ当ヒドイ。
もう嫌だ~~~!俺ばっか好きみたいじゃん』
拓矢は喚く。




『んなコトないよ!!
……………ったく、気付いてないのかよ……………』


『へ?何が』



『あのメイクさん、
拓矢にメイクする時頬真っ赤にしてんだけど?
拓矢は気付いてないけど?』




『あの人は女の人じゃん……………』


『拓矢、
女も一応イケるだろーが』




『そりゃまぁ』



『だから同じなの!
俺だって必死なの。
メイクさんだろうが誰だろうが、
拓矢に惚れてるの見ると嫌になんだよっ』



『……………気付かなかった』


『だろうね!』
翔汰はプイッとそっぽを向く。


「『……………………………』」

湯船のナカで、
どちらからともなく手を握る。



『だから気持ちはおんなじ』
翔汰が溢すと、
『うん。
………分かってるよ』拓矢が返す。




顔を向き合わせた。

濡れた髪の毛から雫が落ちる。


唇を重ねた。

抱き合う。



『ん……………翔………こんななってる』
拓矢が翔汰の肉棒をさわさわ弄る。

『んん、んっ………』
後の撮影でしようと思ってたけど。


翔汰はザバッと立ち上がり、
拓矢の腕を引っ張り上げた。

壁に手を着かせる。


『翔……………時間、ないよ?』

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