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イカせ屋稼業
第14章 そのじゅうに
すぐに〔そがたくや〕から返信があった。

〈掴まえたけど逃走した、ってことにしといて下さい。
すみませんがそこは昴さんの知恵でお願いします。
俺は足がつかないフリーライターのまま、
KANAMEを翻弄します〉


甲斐から頼まれた、
拓矢とやらの提案の援護。


ガラケーをたたむと内ポケットに仕舞う。

____まさか今の時代に(しかも業界内部で)ガラケーを使う者もいまい。
いざというとき二つに折り、証拠を隠滅できるため昨日購入した。


ネット上の写真は合成である。


しかし、
拓矢はどうやって〔KANAMEの幼少期の写真〕を入手したのだ?

昴はPC画面を見る。


5歳くらいだろうか?
小学校に入るくらいか?

あどけない表情のKANAMEがそこに映っていた。

笑いながら見上げている。

見上げた先には師橋条の姿。
スーツにハット帽。
一目で気質(かたぎ)じゃないのが分かる。
穏やかに微笑んでいるが、これは加工だ。




今のKANAMEとは全く雰囲気が違う小さな男の子。
しかし当人には自分の写真だと分かったはず。

だから動揺した……………



これで〔師橋との関係〕にも関心を持つに違いない。



___さて、
どうするかな……………


〈@きんぱつ屋〉を仮の存在のまま、
KANAMEを引きずっていかなければ。

昴は腕を組んだ。
同時に、拓矢という子は相当な気概があるのだなと感心した。
生半可な気持ちじゃ、先ず出来ない行動だ。


うちで探偵員やってくれないかなと内心思ったのだった…………………………………

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