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イカせ屋稼業
第14章 そのじゅうに
『見て下さい!
ネット上でKANAMEさんのことが書かれてます…………!!』
あせあせと慌てた様子の南に、
KANAMEは『ん?何だ?』とノートPCを引ったくった。




【セクシー俳優・KANAMEの衝撃の過去!!
実父は事務所社長のM氏!】


KANAMEは一文に目を通すと『単なる悪口だろーが!
つまんねぇ記事でハントの邪魔すんじゃねえ』と再びパイプ椅子を蹴った。

が。

『……………………………ああ?!……………
何だ、これ…………………』




KANAMEの目がPC画面で止まる。


【親子仲睦まじい写真。
母親は不明なまま…………M氏に手を引かれ歩くKANAME。
ガテン系セクシー俳優にもあどけなくいじらしい時代があったとはwww】



『____おい……………
この記事書いたの誰だ…………………………』
KANAMEが囁くような声を出す。


南___昴だ___は、
甲斐と百合絵から聞いている〈拓矢の作戦〉が当たったと確信した。


『………ええと………
@きんぱつ屋、っすね。フリーのライターのようです』
昴は拓矢の仮の名に噴き出しそうになるのを抑え、

神妙な面持ちでKANAMEに返す。


『………フリーライター………が何でこの写真を持ってるんだ…………………
おい南、今日じゅうにその@きんぱつ屋を掴まえてこい!必ずだ。
__ハントに行くぞ!』


KANAMEは動揺しながら虚勢を張り、
スキンヘッドと共に出てゆく。


____師橋が小さなKANAMEと手を繋ぎ、
仲睦まじい父子さながら歩いている写真。



事務所に一人残った昴は、
内ポケットのガラケーを取り出した。

〔そがたくや〕宛てにメールを作成する。
甲斐から転送されたアドレスだ。
〈KANAME、かなり動揺した模様。
ハント(素人女子狩り)に向かった。
@きんぱつ屋を掴まえろと命令されたが………どうする?〉




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