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イカせ屋稼業
第14章 そのじゅうに
(昴さん、あと頼みます)

願いを込めて、拓矢は@きんぱつ屋というハンドルネームでKANAMEの記事を書いてゆく。


引っかかれ。
追いかけてこいよ。絶対掴まりゃしないから。


お前のせいで人生が歪んだ女子たちの哀しみを思い知らせてやる。




___________拓矢はいつになく胸中に炎を秘めていた。それはやっぱり………………………………




_____________________
『おつかれでした-、
体、痛くなかった?』ホテルの一室。共演した女優に訊ねる翔汰。

『大丈夫でしたよ!
おつかれさまでしたぁ~。また機会があればよろしくお願いしますね♪』
セクシー女優が撮影後の〔やり切った感〕から清々しい表情で帰る準備をしている。



翔汰は安堵し、
仕事用バッグを抱えた。

わんこストラップが揺れている。


『ふ』
拓矢に似てる。。
いつ見ても似てる。


笑いを堪えつつ(片付け中のスタッフさんがいるから………)、
挨拶をして礼を言いホテルの裏口へ出た。


甲斐から〔20分待っててくれ〕とメッセージが入っていた。




道が混んでるのだろう。

次の仕事は撮影会社が共同で借りているマンションにて、
人妻相手にS男という設定だ。


ラブホテル街の一角のホテルでの撮影だったので、
裏口に出ると歩道なのだ。


昼間から絡んで歩いているカップルばかり。



やれやれよくやるよな………と自分の事を棚に上げて、
自販機でポカリを買う。


『きゃーっ、いや、離して!!』


ヒンヤリしたペットボトルを持ったとき、
女性の叫び声が聞こえた。


(………事件か?…………)

辺りを見回す。


カップルたちは皆こそこそと絡んだままホテルに入って行くだけ。


(何だ?)気になってキョロキョロする。

『____あ!!!………また!!』
翔汰は駆け出した。


____斜向かいのホテルの入り口に、
見たことがあるガテン系男がいた。

『あんのやろーーー!!』









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