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イカせ屋稼業
第14章 そのじゅうに
___________________
ピンポーン…………♪♪♪
『……………………………いないか』
KANAMEは反応がない部屋の前で、
クルリと踵を返した。
会いたいときに、
あの人はいつも居ない。
当たり前だが_____
カチャッ…………
『____了?』
KANAMEは思わずバッと振り返った。
長身で肩幅の広い男がメガネを掛けながら目をしばたく。
『想さん…………………!』
『____久しぶりだな(笑)
入れよ』
KANAMEはわざとゆっくり歩いた。
気取られないように。
この男____高梨想【タカナシソウ】___に、
本気だと悟られないようにしながら。
『コーヒーでいいか?』
想が欠伸をしながら訊く。
『ああ、
うん…………』
『何だ(笑)元気ない了はらしくないなぁ』
閑散とした部屋。
想の〔仕事専用部屋〕だ。
『飲みな?』
丸テーブルに、
コトンとカップが置かれる。
想の白く長い指。
左手に光る、結婚指輪。
KANAMEはコーヒーを飲んだ。
『苦いよ、想さん』
2つある椅子の片方に想が腰かけた。
『悪い悪い。
眠気覚ましについ濃くドリップしてしまう』
『仕事、忙しいんすね』
『まぁ、慣れたけどね』
『奥さんと子供元気すか?』
_____ああ。
KANAMEはまた言っちまったと思う。
いつもこうだ。
わざと、自分をミンチに砕くみたいにしか出来ない。
ピンポーン…………♪♪♪
『……………………………いないか』
KANAMEは反応がない部屋の前で、
クルリと踵を返した。
会いたいときに、
あの人はいつも居ない。
当たり前だが_____
カチャッ…………
『____了?』
KANAMEは思わずバッと振り返った。
長身で肩幅の広い男がメガネを掛けながら目をしばたく。
『想さん…………………!』
『____久しぶりだな(笑)
入れよ』
KANAMEはわざとゆっくり歩いた。
気取られないように。
この男____高梨想【タカナシソウ】___に、
本気だと悟られないようにしながら。
『コーヒーでいいか?』
想が欠伸をしながら訊く。
『ああ、
うん…………』
『何だ(笑)元気ない了はらしくないなぁ』
閑散とした部屋。
想の〔仕事専用部屋〕だ。
『飲みな?』
丸テーブルに、
コトンとカップが置かれる。
想の白く長い指。
左手に光る、結婚指輪。
KANAMEはコーヒーを飲んだ。
『苦いよ、想さん』
2つある椅子の片方に想が腰かけた。
『悪い悪い。
眠気覚ましについ濃くドリップしてしまう』
『仕事、忙しいんすね』
『まぁ、慣れたけどね』
『奥さんと子供元気すか?』
_____ああ。
KANAMEはまた言っちまったと思う。
いつもこうだ。
わざと、自分をミンチに砕くみたいにしか出来ない。