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イカせ屋稼業
第15章 そのじゅーさん~未来へ~
風が冷たくなってきた。



拓矢は皮の薄手アウターを羽織り、
バンワゴンから降りた。

翔汰はといえば秋冬用ジャージ。
(動きやすいから)

仕事用カバンのワンコストラップには、
Yoo!ちゃんが作ってくれた洋服を着せてある。



空は曇り。

『こーゆー天気、
今から増えてくだろうね』

『ん?ああ、そうだな。
たく?』
翔汰は拓矢の耳許に口を寄せた。


「……………の…が…………たたまれるよ?」


こそこそ囁く。


拓矢はククッと笑った。




郊外にある、
瀟洒なホテル。
ラブじゃなくて一般的なホテルだ。


甲斐のあとをついてゆく。




造りは洋風だけど、
和洋折衷らしい。


玄関を入るとフワリと絨毯が靴を包む。

コンシェルジュが丁寧に一礼した。
『aiji様ですね。
お待ちしておりました。
洋室をご用意させていただいてます。
プール・ジャグジー・バスルーム・お食事等完備してございます。
ご不明な点がありましたら、フロントまで一報を願います』 



案内されたのは12階。




グレーのシンプルな扉を開く。


『おおー………………』

『へぇ』


ふたりはため息を吐いた。



スッキリした洋間だ。


天蓋ベッドは華やかながら、シーツは白。

床の絨毯も真っ白。

ネコ脚の丸い鏡も縁が白く、
花模様が彫ってありミステリアス。



カーテンも白い。


静まり返った白ってのはキレイだ。


____ベッド・鏡の隣にはバスルームらしき扉がある。

ティーセットが置かれた丸テーブルもネコ脚。




その一角の反対側に、
仕切りもなく楕円形のプールがある。



絨毯からすぐにプールの縁(ふち)という……………



『おー、
異空間だなぁ。ファンタジーっぽいねぇ。
まぁ前回が〔SM部屋〕だったし、対極狙いだな』
甲斐がふむふむと頷いた。






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