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イカせ屋稼業
第15章 そのじゅーさん~未来へ~
『じゃあね、ゆり!
また夜来るわ。

あなたたち、
失礼を許してね』

軽やかに病室を出て行く。

ふわりと良い香りを残して。





『うーーーわーーー………………、

これ、墓場まで持ってく秘密ですよね?』

翔汰はショックだ。



百合絵社長は『笑いたきゃ笑いなさいよ』とむくれ気味。




『え?
何でですか社長………』
拓矢が花を花瓶に入れながら話す。

(↑成長したのだ、拓矢も…………)





『あたしみたいなゲテモノと高嶺の花じゃ釣り合わないわよねっ』




翔汰は分かった。

『社長、その気持ちちょっと分かるっす………。
俺も相手がこれ←でしょ?
もーハラハラもので………』




『でしょ?!

瑞穂とあたしじゃあね…………

肉体の厚みも違うし』



百合絵社長が気弱になっている。



初めて聞いた気がする。

社長の弱音。


それが、仕事の事じゃなく恋愛だとしても………





『分かるんすけどね社長。

あれだけの美人がですよ?

言わば選び放題なワケじゃないすか?

それでも社長に…………ってのはかなり強い気持ちがある証拠っすよ』

翔汰は病気ゆえの落ち込みモードの百合絵社長を励ます。




『社長っての分かるなぁ……………
他にいないもん』
拓矢が頷く。





『本当?

………………あんたたちに励まされてるようじゃダメね、あたし……………』

ふと、
百合絵の顔に暗さが差した。





シン……………と静まり返る室内。




『怖くてね。

いつまで持つかと思ったら………………

甲斐は頼れるし、
あんたたちも成長してくれた。
頼りになる〔ミントリア〕なのに…………』









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