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イカせ屋稼業
第16章 そのGO
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翔汰は突然の坂城すずの出現に戸惑ってしまった。
曲がりなりにも一夜を共にし、
好きな気持ちがあった相手…………
『あ、ごめんね?
驚かすつもりじゃなくて…………。
変な意味で来たんじゃないのよ』
すずは少しふっくらしていた。
大人っぽくなっている。
『拓矢さんとふたりでやってくんでしょう?
今日はね…………』
ガサゴソとバッグから何やら取り出す。
『報告って変かな?
わたし、引退するんだ。
昨年子どもが出来たの』
『ぅへぇっ?!
え、結婚したの??』
『うん。
事務所のマネージャーと…………
勝手だけど、百合絵社長さんの葬儀で伝えたかったんだ』
取り出したのは、1枚の写真。
赤ちゃんが映っていた。
『あなたに感謝してます、
ありがとう』
すずは翔汰に頭を下げた。
『えっ俺?
何もしてないよ?』
『ううん、翔汰くんとああならなかったら、
ずっと人に心を開けないまんまだったよ。
ホントに。
ありがとうって言いたくて。
個人的に逢うのは変でしょう?』
すずは輝いて見える。
(落ち着きは、
母になったからだったのか…………)
「おーい、すず-!!」
遠くで喪服姿の長身の男がすずを呼んだ。
『あ、もしかして旦那さん?』
『うん。
葬儀に不謹慎だけど、こうしないとなかなか逢えないから。
ありがとう、拓矢さんと頑張ってね!!』
すずが手を振り駆けていった。
しばらくすずの背中を見送った。
〔あなたに感謝してます、
ありがとう…………〕
リフレインする。
知らず知らず涙が流れた。
(百合絵社長あっての俺だ………。
その言葉も、社長がいたからこそなんだ)
曲がりなりにも一夜を共にし、
好きな気持ちがあった相手…………
『あ、ごめんね?
驚かすつもりじゃなくて…………。
変な意味で来たんじゃないのよ』
すずは少しふっくらしていた。
大人っぽくなっている。
『拓矢さんとふたりでやってくんでしょう?
今日はね…………』
ガサゴソとバッグから何やら取り出す。
『報告って変かな?
わたし、引退するんだ。
昨年子どもが出来たの』
『ぅへぇっ?!
え、結婚したの??』
『うん。
事務所のマネージャーと…………
勝手だけど、百合絵社長さんの葬儀で伝えたかったんだ』
取り出したのは、1枚の写真。
赤ちゃんが映っていた。
『あなたに感謝してます、
ありがとう』
すずは翔汰に頭を下げた。
『えっ俺?
何もしてないよ?』
『ううん、翔汰くんとああならなかったら、
ずっと人に心を開けないまんまだったよ。
ホントに。
ありがとうって言いたくて。
個人的に逢うのは変でしょう?』
すずは輝いて見える。
(落ち着きは、
母になったからだったのか…………)
「おーい、すず-!!」
遠くで喪服姿の長身の男がすずを呼んだ。
『あ、もしかして旦那さん?』
『うん。
葬儀に不謹慎だけど、こうしないとなかなか逢えないから。
ありがとう、拓矢さんと頑張ってね!!』
すずが手を振り駆けていった。
しばらくすずの背中を見送った。
〔あなたに感謝してます、
ありがとう…………〕
リフレインする。
知らず知らず涙が流れた。
(百合絵社長あっての俺だ………。
その言葉も、社長がいたからこそなんだ)
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