この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
君をこんなに愛してる
第2章 奪われた幸せ
使用人が主と恋に落ちたとして、それが悲恋に終わってしまうのは、ひと昔前の少女漫画の世界だけ。
旦那様も奥様も、こんなわたしを息子の選んだ相手として受け入れてくれた。
本当に…驚くような話でしょう?
「息子を宜しくね」と笑顔で手を握られた時、どこかの王子様に見初められた灰被り姫になったような…それくらいの信じられなさだった。
それからというもの…
「──…よし、鉢はここに置きましたよ」
「土と肥料はここに用意してあるの。で、スコップも持ってきたから…」
「さすが準備がいいですね。貸してごらん」
「あ、駄目、手が汚れますよ…っ…、汚れ、るよ」
「へーき、平気ですから」
わたしたちを阻むものは何もない。