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君をこんなに愛してる
第2章 奪われた幸せ
着々と土の準備をすませるわたしたち。
「あのね、栞。今日こそ話しておかないといけない事があるんです」
「…?」
絢人さんの言葉にドキリとした。
土を平らにならしていた手が止まってしまう。
「…話…って」
「あまり良い話ではないのだけれど」
わたしの顔がパッと輝いたのを感じ取ったのだろう。彼は慌てて付け加えた。
なんだ、違うのか……
「じゃあ聞きたくないです」
「え…(汗)」
期待した分がっかりも大きかったから、少し意地悪な事を言って絢人さんを益々慌てさせてみる。
…このくらいの悪戯は許されるよね?
なんだか恋人らしいやり取りだし。
「──…ふふ、ウソ」
「はぁ…困らせないで下さい」
苦笑いする時も、彼の目は柔らかく細まる。
…ほらね、やっぱり可愛いんだから。
「ふふっ、ごめんなさい。話って何?」
「うん…実は」
「──…」
その話は確かに、楽しい話なんかじゃなかった。