この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
君をこんなに愛してる
第11章 Epilogue

十二歳の時に、僕はある病を患っていると知りました。
その病は、すぐに僕の命を奪うことはしなかった。
けれどいつ死んでもおかしくないという恐怖と共に暮らす日々は、酷く辛いものでした。
そんな恐怖の毎日を、彼が救ってくれたんです。
はっきりと覚えている。
三年前──父に連れられてやって来た。
僕と同じ顔、同じ声を持った彼はそれ以降、僕の前に姿を見せることはしませんでした。
彼は離れ家で暮らしているのだと言う。
彼は僕の生き写しで…そして、もし病で身体のどこかがダメになれば、彼のモノを代用すればいいのだと両親に言われました。
笑顔で話す父と母が、歪んで見えた。
けれどそれと同時に…長年にわたって僕を押し潰してきた恐怖が軽くなったのも、また事実なんです。

