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君をこんなに愛してる
第6章 温もりを重ねて

「どうかした?」
「栞は、青い薔薇の花言葉を知っていますか?」
「えっ……と、花言葉? ──確か…《 奇跡 》とか《 祝福 》の意味だったような」
わたしは昔から植物が好きだから、花言葉は好んで覚えている。
だから絢人さんの問いかけにも答えることができた。
「奇跡、か…。でも、もともとは違う意味だったんですよ」
「…違うの?」
「多くの研究や実験にもかかわらず、薔薇は長い間青く染まることはなかったそうです。どういうわけか青色の遺伝子だけが受け入れてもらえず…
よって、付いた花言葉は《 不可能 》」
「そうなんだ……」
どうしたのかな
絢人さんの声、なんだか寂しそうに感じる。
「…じゃあよかったね、青色は」
「……?」
「ずっと諦めなかったご褒美に、最後にはちゃんと薔薇に受け入れてもらえたんだから」
「…ふ、そうですね」
って考えると、ツンツン彼女に猛アタックする彼氏さんみたい。
よしよし頑張ったね、青色さん。

