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君をこんなに愛してる
第2章 奪われた幸せ
貴峰商事は、貿易から金融、投資やエネルギー部門まで手をかける総合商社で
その社長こそが、この貴峰家の旦那様なのです。
わたしがこの家に来たのは十年前──
十一歳の時。
身寄りのないところを奥様に買われて来た。
買われた…なんて言い方は誤解を生むかもしれないけれど、この家での生活はそれまでのそれよりずっと恵まれているから。
だからわたしは奥様に、旦那様にとても感謝している。
あの頃は少女だったわたしは
こうして見も心も大人に成長し…
育ててくれたこの家には、言葉にできないほどの恩義があるのだ。