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君をこんなに愛してる
第2章 奪われた幸せ


それだけでも十分なのに

わたしは、身に余る幸福を……今、この身に授かっている。



───…



「──栞( シオリ )」

「…絢人( アヤト )さん?おはようございます」


裏庭に腰をかがめて、薔薇を植えるにちょうどよい鉢を選ぶわたしの背後──

優しい低音で名を呼ばれた。


振り返ったそこに立っているのは
貴峰家の御曹司、貴峰 絢人( タカミネ アヤト )。


「朝早くから君の姿が見えないから心配していましたよ」

「先日に奥様からこと付かった御使いです。青い薔薇を街まで買ってきたんですよ」

「母からのこと付け…か。いつも悪いですね」



そして──彼は、わたしの恋人。




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