この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
君をこんなに愛してる
第8章 大事だから
「…ハァっ…ハァっ」
「──…」
わたしは頭を枕から上げると
布団をたぐりながら身を引いた。
「…それほどに嫌われましたか」
拒絶された彼は、叩かれた手を寂しげに膝の上に戻す。
「嫌うもなにも…っ、わたしは貴方の名前すら知らないのよ?怖いに決まってる」
「だから、僕は絢人です」
「嘘はもうやめて!」
自分は貴峰 絢人なのだと主張を繰り返される。
でもそんなのは信じられない。
「そこまで言うならあの手紙の説明を…っ──!!」
わたしは自分が投げつけた手紙を指さしたが
…床には何も落ちていない。
「──…それより、ここは…!?」
ここが絢人さんの寝室でないことを思い出して、さっと顔を曇らせた。