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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第6章 其の参

男がお彩を見つめている。
お彩も男を見た。
この刹那、刻(とき)さえ止まっているかのような、不思議な浮遊感がお彩を包み込んでいた。
「また、哀しそうな表情(かお)をしているね」
男は淡く微笑している。何故なんだろうと、お彩は男の笑顔を見ながら考えた。どうして、この男(ひと)と一緒にいると、こんなに安心できるのだろう、どうして、この男の顔を見るだけで、こんなに嬉しくて―そして、切ないのだろう。
―逢いたかった。
衝動的にその言葉がこぼれ落ちそうになり、お彩はすんでのところで、そのひと言を呑み込んだ。
お彩も男を見た。
この刹那、刻(とき)さえ止まっているかのような、不思議な浮遊感がお彩を包み込んでいた。
「また、哀しそうな表情(かお)をしているね」
男は淡く微笑している。何故なんだろうと、お彩は男の笑顔を見ながら考えた。どうして、この男(ひと)と一緒にいると、こんなに安心できるのだろう、どうして、この男の顔を見るだけで、こんなに嬉しくて―そして、切ないのだろう。
―逢いたかった。
衝動的にその言葉がこぼれ落ちそうになり、お彩はすんでのところで、そのひと言を呑み込んだ。

