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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第11章 第三 【ほたる草】 其の参

その時。男の声が響き、二人の間に割って入った者がいた。
「止めろ、止めるんだ」
先に我に返ったのは、お彩の方だった。
偉兵衛が二人の前に立っている。つい今し方、随明寺の門前道で陽太に殴り倒されたばかりの偉兵衛は、美しい貌に青アザを二カ所も作っていた。
これでは折角の男前も台なしである。
「お前さん―、その怪我は一体どうしたの?」
小巻が愕きに眼を見開き、偉兵衛を見つめた。
「そこの別嬪さんの良い男にのされちまったのさ」
偉兵衛がいかにも情けなさそうな表情(かお)で肩をすくめた。
「お彩さん、恋人がいたのね?」
小巻の顔に驚愕がひろがった。陽太の存在が恋人といえるかどうかは判らないが、この場は頷くしかない。
「止めろ、止めるんだ」
先に我に返ったのは、お彩の方だった。
偉兵衛が二人の前に立っている。つい今し方、随明寺の門前道で陽太に殴り倒されたばかりの偉兵衛は、美しい貌に青アザを二カ所も作っていた。
これでは折角の男前も台なしである。
「お前さん―、その怪我は一体どうしたの?」
小巻が愕きに眼を見開き、偉兵衛を見つめた。
「そこの別嬪さんの良い男にのされちまったのさ」
偉兵衛がいかにも情けなさそうな表情(かお)で肩をすくめた。
「お彩さん、恋人がいたのね?」
小巻の顔に驚愕がひろがった。陽太の存在が恋人といえるかどうかは判らないが、この場は頷くしかない。

