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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第11章 第三 【ほたる草】 其の参

お彩が小さく頷くと、小巻が偉兵衛を睨んだ。なまじ派手やかな美貌だけに、怒って睨みつけるさまにも凄艶さがある。
「お前さんってば、また、妙な気を起こしたのね? それで、お彩さんの恋人に見つかって、その体たらく―、そういうことなんでしょ」
道楽者の亭主にさんざん泣かされてきただけに、その辺のことは流石に察しが良い。
小巻は唇をきつく噛みしめた。
「どうして、お前さんって人は、いつもいつもそうなのよ?」
小巻が偉兵衛に近づき、いきなりその頬を打った。
「そんなに私が気に入らなければ、離縁でも何でもすれば良い。私ももう吹っ切れたわ。お前さんみたいな男なんて、金輪際ご免よ。このまま一生、お前さんの女癖の悪さに泣かされっ放しで終わるなんて、私はいやですからね」
「お前さんってば、また、妙な気を起こしたのね? それで、お彩さんの恋人に見つかって、その体たらく―、そういうことなんでしょ」
道楽者の亭主にさんざん泣かされてきただけに、その辺のことは流石に察しが良い。
小巻は唇をきつく噛みしめた。
「どうして、お前さんって人は、いつもいつもそうなのよ?」
小巻が偉兵衛に近づき、いきなりその頬を打った。
「そんなに私が気に入らなければ、離縁でも何でもすれば良い。私ももう吹っ切れたわ。お前さんみたいな男なんて、金輪際ご免よ。このまま一生、お前さんの女癖の悪さに泣かされっ放しで終わるなんて、私はいやですからね」

