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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第14章 第六話 【春の雨】 其の壱

マ、正直言って、初めから断られるのは判ってたよ。今し方も言ったように、お彩ちゃんは一度だって俺に気があるような、つまり俺に惚れてるんだと思わせるようなことは言わなかったし、幾ら朴念仁の俺でも、どんな結果になるかは容易に想像がついたよ。それでも、今まで一年もの間、返事を訊こうとはしなかったのは、やっぱりフラレたくはなかったからだろうな」
伊勢次はまるで他人事のように言うと、力なく笑った。
「私も怖かったんです」
お彩が言うと、伊勢次が眼を見開いた。今度は伊勢次の方がお彩の言葉を理解できないといった風だ。
「怖いって、俺が?」
問い返され、お彩は頷いた。
伊勢次はまるで他人事のように言うと、力なく笑った。
「私も怖かったんです」
お彩が言うと、伊勢次が眼を見開いた。今度は伊勢次の方がお彩の言葉を理解できないといった風だ。
「怖いって、俺が?」
問い返され、お彩は頷いた。

