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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第18章 第七話 【雪花】 其の参

「先日は、お前さんの独断場で終わっちまったが、少しは私の話も聞いちゃくれねえか」
「今更、何を話すというんです?」
お彩はわざとつっけんどんに言った。
が、陽太は気にする様子もなく、穏やかな声音で言う。
「お前さんが逃げ出したりしねえと言うなら、この手は放すが」
お彩は溜め息をついた。
「判りました。逃げ出したりしませんから、その手を放して」
こうでも言わなければ、陽太はずっと手を放してはくれそうになかったからだ。それを迷惑だと思う一方で、嬉しいと思う自分がいる。自分の中には相も変わらず、矛盾する二人の自分がいるようだ。
「今更、何を話すというんです?」
お彩はわざとつっけんどんに言った。
が、陽太は気にする様子もなく、穏やかな声音で言う。
「お前さんが逃げ出したりしねえと言うなら、この手は放すが」
お彩は溜め息をついた。
「判りました。逃げ出したりしませんから、その手を放して」
こうでも言わなければ、陽太はずっと手を放してはくれそうになかったからだ。それを迷惑だと思う一方で、嬉しいと思う自分がいる。自分の中には相も変わらず、矛盾する二人の自分がいるようだ。

