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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第18章 第七話 【雪花】 其の参

「きれいな女だった。それに、いつも一生懸命生きていた。私は大人になって何か辛いときや苦しいことがあって自棄になりそうになった時、いつも、お絹さんの口癖を思い出したものだ」
「心に花を咲かせなさいっていう、あの台詞ですか」
お彩が思い切って問うと、陽太は頷いた。
「あの言葉のお陰で、私はどれほど救われたかしれねえ。今の私があるのは、お絹さんのお陰だ」
陽太の口調には心底から懐かしむような響きがあった。
二人はいつしか石段を降りきり、門前の小道を並んで歩いていた。
「心に花を咲かせなさいっていう、あの台詞ですか」
お彩が思い切って問うと、陽太は頷いた。
「あの言葉のお陰で、私はどれほど救われたかしれねえ。今の私があるのは、お絹さんのお陰だ」
陽太の口調には心底から懐かしむような響きがあった。
二人はいつしか石段を降りきり、門前の小道を並んで歩いていた。

