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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第20章 第八話 【椿の宿】 其の弐

市兵衛がお彩を求めるのはいつも性急ではあったものの、今日の市兵衛はいささか常軌を逸していた。「むらさき亭」の女中が運んできた昼の膳さえ廊下に置いたままで手を付けようともせず、日がなこうしてお彩の身体を求めてきた。
お彩の身体を這う手も何もかもが執拗で容赦がなかった。まるで何ものかに憑かれたような、急き立てられているかのような荒々しさでお彩は市兵衛に幾度も貫かれた。
結局、夕刻のこの時間になるまで、お彩は市兵衛の腕の中から一度として出ることは許されず、二人は一日中膚を合わせ愛を交わしていた。
「もうそろそろ帰ります。お店の方が忙しくなる頃だから」
お彩の身体を這う手も何もかもが執拗で容赦がなかった。まるで何ものかに憑かれたような、急き立てられているかのような荒々しさでお彩は市兵衛に幾度も貫かれた。
結局、夕刻のこの時間になるまで、お彩は市兵衛の腕の中から一度として出ることは許されず、二人は一日中膚を合わせ愛を交わしていた。
「もうそろそろ帰ります。お店の方が忙しくなる頃だから」

