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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第20章 第八話 【椿の宿】 其の弐

それがこの体たらくで、案の定、熟睡してしまったらしい。
お彩は元々、酒は苦手である。父伊八もたまに一合ほどを晩酌で呑むほどのものだ。お絹が亡くなって、お彩もその一年後に家を出てからというもの、一人で呑むのは侘びしすぎると言って家で呑むことはなかった。それが久しぶりに呑みたいから付き合えと言われれば、娘としては付き合わないわけにはゆかない。
伊八は口数も少なく、物静かな男だと周囲からは思われているが、本当は人付き合いの苦手な淋しがりやなのだ。一合の晩酌にほんのちょっと付き合っただけなのに、朝起きたときには、少し頭が痛んだ。―二日酔いらしい。
お彩は元々、酒は苦手である。父伊八もたまに一合ほどを晩酌で呑むほどのものだ。お絹が亡くなって、お彩もその一年後に家を出てからというもの、一人で呑むのは侘びしすぎると言って家で呑むことはなかった。それが久しぶりに呑みたいから付き合えと言われれば、娘としては付き合わないわけにはゆかない。
伊八は口数も少なく、物静かな男だと周囲からは思われているが、本当は人付き合いの苦手な淋しがりやなのだ。一合の晩酌にほんのちょっと付き合っただけなのに、朝起きたときには、少し頭が痛んだ。―二日酔いらしい。

