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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第28章 第十一話 【螢ヶ原】  其の四 
 そういえば、と、改めて村人の一人が言っていたのを思い出す。辻ガ池(辻堂の前の池)の周辺は〝螢ヶ原〟と呼ばれていて、昔から夏には螢が群舞する場所として知られているのだと、村の古老が話していた。
いにしえから、螢は亡き人の魂が現し世に還ってきたものだとも言い伝えられている。だとすれば、今、まさに自分の眼前を飛び交う幾つもの光の中にも大切な人たちの魂はいるのだろうか。お彩を慈しんでくれた愛情深い両親の笑顔が瞼に切なく蘇る。
 お彩は、もう二度と逢うことのない父と母を思い、涙を流した。我が身が今ほど寄る辺なき身の上だと思ったことは、これまでにはなかった。お彩は今、本当に独りだった。
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