この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第14章 気持ちのすれ違い

希に手を引っ張られて、お店の外に出ようとすると
「ナギちゃん、元気だせ!」
常連さん達が手を振ってくれた。
「お騒がせして、すみません。」
私はお辞儀をして、希と外に出た。
ちょうどその時、海音が向こうからこっちに来るのが見えた。
「渚、ただいま!」
海音に声を掛けられた。
よく見ると、いつもより疲れてるように見える。
「カイ、今日はごめん。お店もうすぐ閉めるから、渚と他行って。」
希がそう言って、お店の中に入っていった。
「渚、少し話したい事あるから、ウチ寄って。」
海音の家に着くと、紅茶をいれてくれて、ソファーに2人並んで座った。
「いつ帰ってきたの?」
「今日の夕方。」
「何で連絡くれなかったの?」
「連絡したって、今日は会えなかったし、SUNに行けば少しだけでも会えるかな?と思ったから。」
「連絡待ってたんだよ…。」
「ごめん…。」
2人の間に沈黙が続いた。
……………。
「ねぇ、渚。俺は今仕事忙しくて余裕ないって話したよね。」
「…うん。」
「俺の中では会った時に、全力で渚を愛してるつもりだけど、伝わらない?」
「……。」
「正直最近、渚からのメールが頻繁すぎてしんどい。メールがくる度面倒になる。」
「………。」
下を向いて黙っている私に海音は続けて言う。
「渚、しばらく距離置こう。仕事落ち着いたら、俺から連絡するから。このままじゃ俺、渚の事嫌いになっちゃうから。」
気付いたら、涙が出ていた。

