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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第14章 気持ちのすれ違い

ただ海音との時間を出来るだけ取りたかったのに、それが海音には重荷過ぎたなんて、気付かなかった。
「渚、ごめん。別れるつもりで言ってるわけじゃないんだ。」
海音が私の涙を指で拭う。
「転勤の事で焦ってるってわかるけど、そういうんじゃなくて、渚と俺がちゃんと向き合う為の期間だと思って、ちゃんと受け止めて欲しい。」
海音を見ると、すごく切なそうな顔をしていた。
「私こそ気持ち考えずに、ごめんなさい。海音の気持ち、ちゃんと受け止めるから。」
「ありがとう。」
そう言って海音は私のおでこに、優しいキスをくれた。
「なんかご飯食べ行こう。今日は駅まで送るよ。」
こうして海音としばらく距離を置く事になった。
残りの時間は少ししかないかもしれないのに、焦るがあまりその時間さえも、自分のせいでなくなってしまった。
海音を信じて待っていられなかった事を、すごく後悔したが、もうどうにもならない。
海音から連絡がくるまで、落ち込まずに頑張ろうと、自分に言いきかせた。

