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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第14章 気持ちのすれ違い

次の日少し出遅れた私は、オープンからだいぶたって、お店に着いた。
ドアの前でもわかるくらい、中はガヤガヤしている。
お客さんは、結構いそうだ。
ドアを開けて中を見た私は、フリーズしてしまった。
「おぉ!ナギちゃん、こっちこっち!」
手招きするおじ様の隣りには、海音がいた。
約1ヶ月半ぶりの海音…。
長かった前髪は短くなっていて、顎髭が生えていた。
「こんにちは!」
そう言って海音の隣りに座る。
「久しぶりやね。元気やった?」
海音が優しく微笑む。
そんな海音を見るのも久しぶりで、会えたのが嬉しくて涙が出そうになった。
「うん、元気だよ。海音は、仕事落ち着いた?」
「あぁ、だいぶね。」
確かに海音を見ると、今までのように疲れた表情はしてないし、顔色も良かった。
「ちゃんとご飯食べてる?」
何気なく聞いてみると海音が
「食べてるけど、誰かの手作り食べたいなぁ。」
少し寂しそうな顔をして答えた。
「ねぇ、海音!明日は休み?」
「今日明けやから、明日は休みやけど。」
「じゃ、この後ウチに来て、夕飯食べていかない?」
今まで会えなかった寂しさをぶつけるように、勇気を出して誘ってみる。
「えっ?いいの?渚がいいなら、行くっ!」
すでにお酒が入ってテンションが高い海音は、私の誘いに乗ってきた。
チラッとおじ様の方を見ると、OKと言った感じで、私にウインクをしてくれた。

