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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第14章 気持ちのすれ違い

海音がキスマークを付けた所を指でなぞる。
「キスマークとエプロンて、最高にエロイね。」
「海音…。」
「そんなにトロンとした瞳で、誘ってもダメ。夜まで我慢してっ。」
「キスは?」
「それもお預け。ほら!お風呂入っておいで。」
海音に背中を押され、バスルームへ向かった。
鏡で首を見ると、海音が付けたキスマークが見える。
海音の物っていう印のようで、何だか嬉しくなる。
“今夜は久しぶりに海音と…。”
そう考えたら、私の体はどんどん熱くなる。
“海音に触れて欲しい…。”
自分の体に触れてみるが、物足りない。
海音を求める体は、自分ではこの熱も鎮める事が出来ない。
いつの間にか、私は心も体も海音に夢中になっていた。
疼いた体をごまかしながら、体と髪を洗い湯舟に浸かる。
湯舟に浸かると、今まで海音に会えなかった日の事が、思い浮かんだ。
会いたくても連絡さえとれない日々は、本当に苦しかった。
なかなか会えなくても、たまにでも連絡をとれたり、会えたりする事が出来るってだけで、こんなにも安心出来るなんて思わなかった。
時間や回数じゃない、会っている間どれだけお互いが、幸せに過ごせたかっていう充実感、これが本当に必要な事なんだ。
海音とのこれからの付き合い方が、やっと見えてきた気がした。
海音もきっと、同じような付き合い方を求めている。
私の気持ちの中に、もう迷いはなかった。

