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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第14章 気持ちのすれ違い

お風呂からあがり髪を乾かしていると

「あぁーっ!!待って!!」

と海音がすごい勢いで、こっちに来た。

「んっ?」

「んっ?じゃなくて、それは俺の役目でしょ。自分でやっちゃダメだから。」

そう言って私のおでこにデコピンして、ドライヤーを取り上げた。

もう何度も海音に、髪を乾かしてもらっている。

「いつも思うんだけど、海音は今までの彼女にも、こうやってたの?」

「うーん、人によるかも。嫌がる人もいるし。渚は嫌じゃない?」

「私はむしろ嬉しいよ。」

「そっか。良かった。渚は元彼には、こうしてもらった事あるの?」

「ないよ。」

私がハッキリと答える。

「やった!俺だけって嬉しい。」

そう言って嬉しそうにはしゃぐ海音を鏡越しに見て、私も嬉しくなった。

「渚の髪って柔らかいよね。気持ちいい。」

「前もそう言ってくれたんだよ。」

「忘れちゃったやつね。ごめんね。」

もうあの日から、何ヵ月もたってるなんて、時間がたつのは本当に早いと実感する。

「さて、乾いたよ。ご飯あっためたから、食べようか。」

「そうだね。」
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