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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第15章 音信不通…?☆看病させて

体を反転させて海音と向き合う形になる。

いつもフサフサな黒髪は真っ直ぐになって、その前髪から涼し気なタレ目が私を見つめている。

水に濡れた海音は、いつも以上にセクシーで、ドキドキする。

そんな海音を真っ直ぐに見る事も出来ず、視線を逸らすと

「瞳逸らさないで。こっち見て…。」

海音の指が私の顎を持ちクイッと上を向かせた。

海音の真っ直ぐな視線…。

ジーッと見つめる海音の瞳に吸い込まれそう。

ドキドキする私に懐かしい海音のセリフ。



「俺とキスしたい?」



そうこのセリフから、海音と始まった。

あの日のセリフを海音は、覚えていないだろうけど、あの日よりも、ずっとずっと、私は海音とキスしたいって思ってる。

“海音も同じ気持ちだったら嬉しいのに。”

そう思っていると

「俺もあの日よりも、ずっとずっと渚とキスしたいって思ってるよ。」

海音がクスッと笑って言った。

「思い出したの?」

「あの時から渚に興味はあったんや。だから、酔いに任せて言ったけど、キスしたかったのは、ホント。だから、そこは覚えてる。」

同じセリフ。

けど、思いは全然違う。

あの日よりも今はこんなにお互いを求めてる。

あの日のキスから始まった私達。


だから、私もクスッと笑って言った。

「カイさんがイヤじゃなければしたい…。」

あの日と同じセリフの後に、あの日よりも愛情たっぷりなキスを海音がくれた。

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