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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第17章 突然の異動辞令

次の日仕事が終わると、約束通りにSUNへ行った。
仕事が忙しい海音は、やはりまだ来ていない。
その間に希にアルバム作成の話をする。
「海音と付き合いのあった常連さんに、このカードに海音へのメッセージを書いてもらいたいの。勿論、海音には気付かれないように。」
「うん、わかったよ。それにしても、渚も忙しいのに頑張るね。」
「神奈川の思い出を海音に何か残してあげたくてさ。」
「カイ、喜ぶと思うよ。けど、寂しくなるね…。」
まだお客さんも少ないお店の中で希と2人、静かにお酒を飲んでいた。
22時を過ぎた頃、お店のドアが開いて海音が入って来た。
「ごめん!待たせたね。」
海音がそう言って私の隣りに座る。
「大丈夫だよ。それよりこんな時間まで、お疲れ様。」
海音と希と私の3人で改めて乾杯する。
いつものようにビールを一気に飲み、2杯目を注文した海音が転勤について話してきた。
「転勤まで時間が全然ないんやけど、とりあえず今週は、まだ時間とれるから。ただ、京都に物件見に行ったり引越の手続きしたりも、今週中にやらんといけないから、時間とかは読めないんやけど…。」
海音も随分と困っているようで、先が見えない状態のようだ。

