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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第17章 突然の異動辞令

それを聞いた希が海音に聞く。
「SUNでカイの送別会やりたいんだけど、いつやれそう?」
スマホでスケジュールを見ながら、海音が悩む。
「うーん。出張前の今週末かなぁ。時間とかはわからないし、あくまで予定になっちゃうけど。」
「そっか、わかった。また近くなったら、しっかり決めよう。一応、今週末予定で。」
希がお店のカレンダーに予定を書き込む。
そんな感じで少しだけ予定がたち、お酒も少し飲んだとこで海音が立ち上がる。
「今日はゆっくり出来なくて悪いけど、渚も俺も明日早いし、渚と話す事もあるから、今日はもうチェックで。」
海音はそう言うと希にお金を払う。
「うん、ありがとう。渚とゆっくり過ごしなね!」
希はそう言うと、今日もお店の外まで見送ってくれた。
SUNから海音の家に向かう十字路での信号待ち。
いつものように海音が、私の手を握ってくれる。
あと何回ここで、こうやって信号が変わるのを海音と待てるのだろうか。
ふとそんな事を考えてしまい、胸が張り裂けそうになる。
そんな気持ちを感じたのか、海音が握った手にギュッと力を込めた。
海音の手から伝わる温もりも、いつもと変わらなくて、それが余計に切ない気持ちにさせた。

