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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第17章 突然の異動辞令

海音の家に着き玄関に入ると、きつく抱き締められた。
私の髪を撫でながら海音が聞く。
「転勤の事、不安になってない?」
「うん。大丈夫だよ。」
私が答えると海音はほっとしたようで、深い息を吐いた。
「良かった。じゃ、ゆっくり話できるね。ソファー座って待ってて。」
そう言って私の頬に軽くチュッとキスをすると、海音は部屋着に着替えに行った。
ソファーに座って待っていると、着替えた海音が紅茶をいれて私の隣に座った。
「まず最初の話なんだけど、今週1日ゆっくりデートしない?渚が1番行きたいところで。神奈川でのデートは、これが最後になるから。」
「いいの?」
「勿論!1日くらいは、ゆっくり渚と過ごしたいからさ。」
「ありがとう。」
微笑んだ私に、海音も優しく微笑んだ。
「で、ここからは渚と俺のこれからの大事な話なんやけど…。」
優しい笑みは消えて、すごく真剣な表情になった海音が話を始めた。
「渚にはどちらかを選んで欲しいんだ。まず1つ目は俺が京都、渚が神奈川で遠距離恋愛をすること。これが1番渚には負担もなくていいのかなって思ってる。ただ、仕事が忙しい上に距離やお金の問題もあるから、今まで以上に会えなくなるのは、分かってもらいたい。」
「うん、そうだね。」

