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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第19章 神奈川ラストデート☆江ノ島
海音がこの場所からいなくなる事の現実を突き付けられた気がして、涙が滲んだ。
泣いてなんていられない。
今日中に、私はどうするか答えを出さなくちゃいけないんだから…。
ソファーに座り、ボーッとテレビを見ていると、着替えた海音がリビングにやってきた。
「もう、何もないでしょ。ごめんね。」
「ううん。短い間によくこんなにまとめたね。」
「もともと荷物は少ないから、案外楽やったよ。」
海音がミネラルウォーターを持って、私の隣に座った。
「さて、今日はどこに行くか決めた?」
「うん、前から決めてたの。」
「どこやろ?」
海音が楽しそうに考えるフリをする。
「わからんなぁー。」
「江ノ島だよっ。」
私が言うと海音は、なるほどって顔をする。
「渚は水族館好きやからね。」
「水族館じゃなくて、島の方に行きたいんだ。いろいろとやりたい事あるんだ。」
「じゃ、決定やね。もうちょっとしたら出掛けようか。」