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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第19章 神奈川ラストデート☆江ノ島
海音の家近くのバス停から、バスに乗って駅に向かう。
海音とこのバスに一緒に乗るのは、多分今日が最後。
駅までの道程もいつもより何だか短く感じる。
いろんな事がすぐに終わってしまうようで、虚しい気持ちになる。
でも、今日は1日楽しむんだ!
海音と最高の思い出を作りたいから。
私の手を握って海音が話始める。
「俺、江ノ島ってこっちに来たばっかの時に、車でマリーナまで行ったくらいで、ほとんど行った事ない。島入るのは、初めてやから楽しみだよ。」
「恋人達の為の観光名所もあるから、海音がいるうちに、行きたかったんだ。」
「そやな。なかなかこっちに来る事もなくなるだろうしな…。」
握っている手に力がこもった。
「ま、渚と一緒ならどこに居ても、楽しいけどね。」
そう言って海音が優しく微笑んだ。
バスを降りて片瀬江ノ島行きの電車に乗り換える。
夏休み中の江ノ島行きの電車。
さすがに普段よりも、混んでいる。
背が低い私はつり革にうまく捕まれず、フラフラしていると、海音が腕を差し出してくれた。
「俺に掴まってな。」
「ありがとう。」