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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第19章 神奈川ラストデート☆江ノ島
「渚に悪い虫がつかないように、俺のモノだよっていう印。」
海音が私の手をとり、指輪の付いた薬指にチュッとキスをした。
「今日はお酒飲んでないのに、海音が甘々だよ。」
私が涙を拭きながら言うと
「俺、本来は甘々だよ。なんか恥ずかしくて出来ないから、酔うと我慢してた分、出ちゃうのかも。」
初めて知った海音の新事実。
封印を解放した今日の海音は、お酒を飲まなくても、ずっと甘いなんて、私の心臓はもつのだろうか。
そんな事を考えてしまう。
「指輪ちゃんと付けっぱなしにしててね。」
「うん。ずっと付けておくよ。」
お互いに顔を見合せて、微笑むと海音のお腹がキュルーっと鳴った。
「なんか指輪渡すの緊張したから、お腹すいたー。」
そう言って、力が抜けたような動きをする海音がすごく可愛い。
「ご飯は、灯台の前にあるイタリアンのお店で食べるから、もうちょっと頑張って歩いて。」
「わぁー、イタリアン。リゾット食べたい!」
米好きの海音が、絶対にそう言うと思ったので、美味しいリゾットがあるこのお店に決めたんだけど、海音にはまだ内緒だ。