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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第19章 神奈川ラストデート☆江ノ島

「なぎさっ。」

海音が静かに私の名前を呼ぶ。

「んっ?なーに?」

「京都の家の風呂も、渚の家の風呂よりは大きいから、渚が京都来た時は、一緒に入ろうね。」

そう言って、私の耳をハムハムと唇で挟んだ。

「楽しみだね。」

「そやなー。」

抱き締める海音の腕に力がこもった。

「渚、明日早いけど、風呂から出たら抱いていい?この家の最後の思い出を渚にしたいから。」

海音の切ない声が聞こえて、私も何だか切なさを感じ
る。

「うん。私も最後に抱かれたい。最初に海音と愛し合ったのも、海音の部屋だったから。私にとっても、大切な場所なんだよ。」

「ありがと…。」

「海音と同じように、私もこのお家には、大切な思い出があるんだよ。だから、私も今日が最後なのは、寂しいよ…。」

私の瞳から涙がこぼれる。

そんな私を海音は無言で、後ろからきつく抱き締めてくれていた。
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