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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第20章 神奈川ラストナイト
「ほらっ、なんか余裕な感じだし。俺は正直余裕もない。好きで好きで仕方ないのに…。」
唇をいじっていた指が私の顎を掴み、海音の顔が近づいてくる。
「海音、タクシーだから…。」
私が顔を背けると、強引に自分の方を向かせて、海音の唇が私の唇に重なる。
「んっ…ダメ…。」
唇を離して顔を背けると、また後頭部を抑えられて、逃げられないようにして、キスをしてくる。
抵抗をやめて海音に身を任せていると、タクシーが私の家の前についた。
鍵を開けて家の中に入ると、玄関の壁に押し付けられて、海音が私をジッと見つめる。
「渚の事しばらく抱けないし、渚にもしばらく会えないから、今日はたくさん甘えて。たくさん渚を感じさせて。」
いつも余裕がある海音も、今日はキス1つでも余裕がない感じ。
そのぶん、真っ直ぐに海音の気持ちが伝わってきて、胸が締め付けられる。
「私だって、いつも以上に海音を感じたい。海音で一杯にして。」
海音の首に腕を回して、ギュッと抱き付いた。