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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第5章 カイさんの誕生日

しばらくそのままの状態でいると、お店の電気が暗くなり、ハッピーバースデーの音楽が流れた。
「ハッピーバースデートゥーユー♪〜」
希が歌いながら、デザートがのったプレートを、カイさんの所に運んできた。
ワッフルに生クリームやフルーツが盛られていて、ローソクがたっている。
お皿の周りには、チョコソースで“HAPPY BIRTHDAY”と書かれていた。
皆が、ハッピーバースデーを歌い終えると、カイさんが
「ありがとうございます!」
と言って、ローソクの火を吹き消した。
パチパチパチ…。
お店中からの拍手。
「おめでとう!」
皆が祝福している。
カイさんは、スマホで希の作ったプレートを嬉しそうに撮っていた。
「あっ!そうだ!カイさん、これ良かったら、使ってください。」
カイさんにプレゼントを渡す。
「ありがとう!じゃっ、お返しにこれあげる。はいっ!」
そう言って、カイさんがプレートにのっていた苺を私の口元に近づける。
驚いて口を開けたら
「はい、あーん、ねっ♪」
と、口の中に苺を入れてくれた。

